長谷川博隆『カエサル』講談社学術文庫

カエサル (講談社学術文庫)

カエサル (講談社学術文庫)

対象が学生向けの本だったらしいので,平易で読みやすかった。ローマ,特にカエサルについては同時代から現代まで沢山の人が書いている。ローマ風の名前は似たのが多くて覚えるだけで一苦労。だから歴史家の名前だけでも排したのは良い試みだったと思う。


この本はカエサル個人についてしか書かれていない。だからなのか,暗殺後のことなんてほんの数行でしかない。もう少し読みたかったけど,個人伝なら仕方ないか。
それでも塩野さんの『ユリウス・カエサル』二冊とはだいぶ違う。中心にローマを置いているのか,カエサルを置いているのか。この本はどこまでも後者であった


文中の地名が巻末の地図に載っていない場合があった。オレはいちいち地図を参照するので,配慮してほしかった