2003-08-01から1ヶ月間の記事一覧

阿智太郎『僕の血を吸わないで⑤ アクシデントはマキシマム』電撃文庫

★★★★ なんだかんだで森写歩郎も卒業式。でも父親が出席できなくなってしまった。 不憫に思ったジルは夜のうちに学校に忍び込んで保護者として出席しようとする。 (ちなみに前巻の薬は未完成で吸血鬼に戻ってしまった) ジルを殺せない刺客達に焦りをつのら…

阿智太郎『僕の血を吸わないで④ しとしとぴっちゃん』電撃文庫

★★★★ ある日いつものように遅刻寸前で家を出た森写歩郎。玄関先で女性から赤ちゃんを受け取る。 身に覚えのない森写歩郎だが、自由奔放な父が怪しい。 森写歩郎もそうだったが、捨て子なのではないか、という疑惑だ。 同日、ジルの元に海外小包が届いた。 中…

阿智太郎『僕の血を吸わないで③ ドッキンドッキ大作戦』電撃文庫

★★★ ブラックウイナーからの第三の刺客はジルの姉、サフィーだった。 彼女、見た目は幼稚園児だが500歳を超えています。 吸血鬼に血を10分以上吸われるとその人間も吸血鬼になってしまう。 ジルとサフィーは実の姉妹ではなく同じ吸血鬼に吸われた仲なのだ。 …

阿智太郎『僕の血を吸わないで② ピーマン戦争』電撃文庫

★★★★ 前作の続き。 吸血鬼を根絶やしにしようとする集団ブラックウイナーを 何とか撃退したジルと森写歩郎は近所の噂になりながらも一緒に暮らしていた。 ちなみに父親はツアコンで英語ペラペラ、家には滅多に帰れない。 それからジルは森写歩郎の婚約者だと…

阿智太郎『僕の血を吸わないで』電撃文庫

★★★★ 第4回電撃ゲーム小説大賞銀賞受賞作品。 この時は『ブギーポップ』が大賞を受賞している。 普通の高校三年生、花丸森写歩郎*1の部屋にある夜、一人の女の子が飛び込んできた。 その子はなんと吸血鬼だったのだ。 そして吸血鬼のジルとの奇妙な同居生活…

高里椎奈『銀の檻を溶かして』講談社ノベルス

★★★ 第11回メフィスト章受賞作。 古ぼけた外見の流行らない薬屋、深山木薬店。 そこは三人の妖怪たちが経営していた。妖怪といっても彼らは人間との共存を選んでいる。 副業で他の妖怪達が起こした事件の後始末をしている。 なぜなら現代の人間は妖怪の存在…

『ケルト妖精民話集』教養文庫

★★ 訳者は小辻梅子。 今では少数しかいないケルト民族の妖精に関する話を集めててある。 シンデレラみたいな話が出てくる。美しい下働きの少女がパーティに行けなくて、 家にいると、魔法使いが出てきて・・・。 それが別の話にも出てきて、混乱します。だっ…

柴田武『その日本語、通じていますか?』角川oneテーマ21

★★★ 日本語に関する本だけど、別に堅いわけじゃない。 経歴を読むと方言地理学の先生だけあって、方言に関するのが多い気がする。 オレは自分は標準語をしゃべっていると思っている。 ま、東京や付近の住民はみんなそう思っているらしいが。 だから名古屋弁…

塩野七生『ローマ人の物語I (下) 』新潮文庫

★★★ 「ローマは一日にして成らず」 この第一巻は、BC753の建国からBC270のイタリア半島統一までを扱っている。 もともと王政だったローマが、共和制に移行する。 貴族対平民の争いを解消するために、アテネやスパルタに視察団を送り、その後、初の成文法を作…

塩野七生『ローマ人の物語I (上) 』新潮文庫

★★★★ 「ローマは一日にして成らず」ローマ人の物語、最初を飾る本。 ロムルスとレムスという双子がいた。 この子達は王女が川辺でうとうとしている間に軍神マルスによってもうけられたのであった。 王女は巫女であった。巫女は処女のままでいなければならな…

長山靖生『「吾輩は猫である」の謎』文春新書

★★★★ 数年前大流行した(まあオレは読んでないが)、磯野家の謎ブームに関係ありそうなタイトルだ。 某古書店で100円コーナーを眺めていたら発見した。 「吾輩は猫である」に出てくる人物やモノに焦点を当てて、 より面白く読むためのエピソードが満載されて…

夏目漱石『吾輩は猫である(下)』岩波書店

★★★★ ふう、時間がかかったなあ。でも面白かった。 ストーリーは無いものとして読みました。日常を描いた作品だ、とね。 言葉のもじりは元ネタがわかるけど(人気→猫気など)、熟語に別の漢字を当てるのには参った。 だって正しい熟語だと思っていたら注釈で…

佐藤二雄『テレビとのつきあい方』岩波ジュニア新書

★★★★ 1995年の調査でテレビの一日平均視聴時間は3時間45分に達したらしい。 オレはテレビを普段ほとんど見ない。食事時にニュースを見るくらい。 それは森博嗣のS&Mシリーズの影響が主だと思うのだが。 我ながら流されやすいというかなんというか。 ま…

アゴタ・クリストフ『第三の嘘』早川書房

★★★★ 訳者は堀茂樹さん。 「悪童日記」「ふたりの証拠」に続く、三部作完結編。 えーと、どういうことなんでしょう? 前作は双子のうち、主にリュカの視点からの話だったけど、 今回の一人称「私」はどうやらクラリスであるらしい。 それにしても複雑でわか…

夏目漱石『吾輩は猫である(上)』岩波書店

★★★ 我が家の家宝(父談)である、漱石全集の第一巻。 いつか読もうと思っていたんだけど、なかなか手が出なかった。 なぜなら、文が旧仮名遣いだから。もしも文語体なら読まなかったな。 「吾輩は猫である。名前はまだ無い」の有名な文章で始まる。 教師であ…

宮部みゆき『返事はいらない』新潮文庫

★★★ 6本収録の短編集。 お気に入りは「ドルネシアにようこそ」 篠原伸治は速記者の卵。一級速記士を目指して日々勉強している。 彼はある速記事務所でバイトしていて、週一本ずつテープ起こしをしている。 そんな彼は事務所のある駅の伝言板に「ドルネシア…

アゴタ・クリストフ『ふたりの証拠』早川書房

★★★ 訳者は堀茂樹さん。 「悪童日記」に続く、三部作の第二弾。 前作の最後で双子はついに離ればなれになる。国境の向こう側と元の家に。 主に国境を越えなかった方の話。 今作で名前が明かされる。リュカがその名前だ。 前作のようなエッセー方式ではなく、…

アゴタ・クリストフ『悪童日記』早川書房

★★★★★ 訳者は堀茂樹さん。 双子は双子でも「ステップファザー・ステップ」よりも恐ろしい双子。 何が怖いってひたすら冷静なのが怖い。「子供だから」冷酷なのでは決してない。 物語は日記のように2,3ページの短いテーマ(?)で進む。 戦争は前線ばかりが…

小野不由美『風の万里 黎明の空 (下)』講談社文庫

★★★★ ISBN:4062649993 十二国記シリーズの陽子の話。 昇紘が悪いと思っていたら実は黒幕がいた。 なかなか尻尾を見せないので正当な方法では埒があかない。 そうこうしているうちに街に出てきたときに教えを乞っていた、遠甫という師匠がさらわれてしまう。 …

小野不由美『風の万里 黎明の空 (上)』講談社文庫

★★★ ISBN:4062649985 十二国記シリーズの陽子の話。 偽王は倒したとはいえまだまだ安定しない慶国。 「傀儡なんだ」そんな言葉が出るほど自分にできることがない。 なので陽子は再び街に出て行くことにした。 そこでは昇紘という官吏が恐怖政治(?)を布いて…

山田正紀『風水火那子の冒険』カッパノベルス

★★ 新聞配達員にて名探偵。風水火那子、登場。 中篇4本収録。 「サマータイム」 「麺とスープと殺人と」 「ハブ」 「極東メリー」 う〜ん、別に風水さんが出てくる必要はないんじゃないかな。 登場の仕方もけっこう強引だし。 新聞配達の途中で話に割り込ん…

林譲治『焦熱の波濤 8/9』歴史群像新書

★★★ サブタイトルはそれぞれ 「猛襲!ブリスベーン大空襲作戦!!」 「救国作戦!ホワイトハウス爆撃指令!!」です。 長いシリーズもついに完結しました。 オーストラリアのブリスベーンを攻撃しちゃおうと 日本軍は占領したクックタウンから高速潜水艦を機軸と…